車の進化
車の最新技術の例
- EBD — 電子制御制動力配分システム
- ABS(4輪アンチロックブレーキシステム) — ブレーキ時の車輪ロックを防ぐ
- ブレーキアシスト — 急制動時に踏力を補助する
- ディスチャージヘッドライト(HID) — 広い照射範囲で、高い遠方視認性
- TCS(トラクションコントロールシステム) — 加速時などの車輪空転を防ぐ
- 追突軽減ブレーキ(CMBS) — 警報とブレーキで追突事故の回避支援や被害軽減を図る
- クルーズコントロール — 高速道路などでの定速走行を制御する
- IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール) — 車速/車間制御機能
- Gコントロール — 衝突時の衝撃(G)をコントロールして人への傷害軽減を目指す
車には、様々な安全機能が搭載されていますが、本来運転者が操作や制御しなければならないことまで、コンピュータに頼っている気がします。
今、オートマチック車が主流です。ギアチェンジをコンピュータ制御で自動的におこなうものです。アクセルを踏めば誰でも車を前に進ませることができます。それ以前のマニュアル車は、クラッチ操作が必要で、スピードが上がるたびに自分でギアを変えていきます。
オートマチック車になって、困ったことが起きました。前の車に衝突したり、勢いよく建物に衝突したりする事故が増えました。なぜそうなるのかというと、オートマチック車はアクセルを離しても、同じ速度で走ろうとします。危険を感じたとき、マニュアル車ではアクセルを離すだけでスピードが落ちるのと大きく違います。また、オートマチック車は操作が簡単なので、自分で運転している意識すらなくなりそうになるくらい何もしなくても前に進みます。つまり退屈になり、しまいには眠くなります。また、衝突しても、オートマチック車はエンジンが止まるしくみにはなっていないので、衝突後も力強く押し付けます。マニュアル車はトルクコンバーターがないので、エンジンは止まってしまい、それがブレーキともなります。
オートマチック車の登場で楽になりましたが、それによって危険が増えてしまったのです。人間は楽になると後戻りはできないようで、その危険をさらにコンピュータ制御で解決しようとします。マニュアル車ではあまり必要としない、トラクションコントロールやアンチロックブレーキ、さらには車間制御までしようとしています。
北海道は雪国です。道路は滑ります。なのに、四輪駆動で、しかもトラクションコントロールを装備した車は、勢いよく発進していきます。しかし、たとえ、アンチロックブレーキが装備してあっても、止まらないものは止まりません。その結果、衝突するのは、明らかです。コンピュータ制御をしているおかげで、路面の状況はわかりにくく、今走っている道路が滑るのかどうかもわからなくなります。
その点、コンピュータ制御をしていないマニュアル車は、自分で路面状態を確かめながら発進します。空転してもすぐに制御できます。滑る路面であれば、運転は慎重になり、止まるときも余裕を持って操作します。アンチロックブレーキは、タイヤがロックしたことを感知して作動するシステムなので、それが作動しない微妙なブレーキ操作をします。人間はコンピュータより優れているのです。
燃費を抑えるシステムもあります。でも、車に備え付けられたセンサーから状況をデータとして取り込み、コンピュータが処理するだけです。人間は、見たもの、聞こえたものなど、五感を使って総合的に判断します。例えば、登り坂があっても、あと何メートルくらいで下りになるとか、遅い車を追い抜くときもあらかじめギアを選択することができます。人間の意思は、コンピュータのセンサーでは感知できないのです。