電池の話

充電池

ニカド電池

ニッケル・カドミウム蓄電池のこと。単三型の充電できる電池として、長い間親しまれてきました。ただし、電圧は1.2Vしかなく、通常のマンガン乾電池やアルカリ乾電池よりも2割程度電圧が低いです。完全放電をしないまま充放電を繰り返すと、充電できる量が減っていく「メモリ効果」という現象があります。

ニッケル水素電池

ノートパソコンの普及とともに、さらに性能の良い充電池が求められました。1990年に登場したニッケル水素電池は、メモリ効果がニカド電池より少なく、エネルギー密度(同じ重さで蓄えられる電気エネルギー量)が、ニカドの64Wh/gと比べ、ニッケル水素電池は、87Wh/gと高いです。しかし、メモリ効果は存在するわけで、ノートパソコンの機能性を考えると、まだ物足りないものでした。

リチウムイオン電池

ソニーが製品化したリチウムイオン電池が、市場に出て来たのは、1996年。それからあっという間にノートパソコンのバッテリーはリチウムイオンに置き換わりました。メモリ効果はなく、電圧は3.6V、エネルギー密度は144Wh/gと飛び抜けた性能を誇ります。携帯電話の普及を促進したのも、間違いなくリチウムイオン電池のおかげだと思います。

しかし、リチウムイオン電池は、過充電により、発火やガス発生の危険があります。そのために電子回路が組み込まれています。安全マージンを多く取れば、性能を発揮できないため、ぎりぎりの制御をしているはずです。そのため、冷却不足や急速充電などにより、実際に発火事件が発生しています。

あまり報道されていませんが、国内最大シェアの携帯電話も発熱による変形を起こしていて、海外では携帯電話の発火事件も起きています。